鳥居をくぐるのは誰?

いつ行くの?今でしょ。の流行語に押され7月末日、安芸の宮島へ行く。
建物に湿気は大敵と聞くのにあえて海の中に神社を建てる。
真逆の発想を見てみたかった。床板に座っていると、波が寄せては引いていく。
カニがヒタヒタと歩き、鳥が砂の中の貝をついばむ。
波紋は毎回描き直される。自然との共生。

しかしちょっと待って、私の居る位置はどこなんだろう。
神社に参拝と言えば長い参道を歩き、鳥居をくぐってやってくる。
しかし、ここでは参道は大海原だし鳥居は海の中。すると、ここは神が人間
を見に来る所か。生きとし生けるものはすべて神と言っているのか。
いずれにせよこの参拝の順序の逆転ですっかり厳かな気分になる。

歴史とは無縁に生きている日々を反省。翌日岩国美術館へ行き、桃山江戸時代の
兜を何点も見ました。左右に大きな貝のついた割はまぐり兜。口が堅いを意味する
そうです。蟹のつめをつけた蟹形兜。守りが堅いを意味するそうです。
長いチョウチョの触覚がついた兜もありました。ミシュランで星を取った
美術館で歴史を身近に感じました。