リーマン球を眺めてみれば・・・

複素関数三幕劇(難波誠)を10年ぶりにまた読んでみようと手に取る。リーマン球(平面の遠くの方を無限遠点という1点と考えてしまい、茶巾絞りした球)の上をマップ(変換装置)でもう一つのリーマン球に飛ばしたときこちらの球上での動きがあちらの球上での動きに反映する様子をイメージしながら読み進む。リーマン球を王宮にたとえ王宮に住む人の動きをあちらの世界に規則正しく伝えるマップを近衛兵にたとえたり。近衛兵に揺さぶりをかけられても毅然としているマップは良き親衛隊に囲まれ(ガロア群)王族と呼ばれたりする。親衛隊の動きはイギリスの鉛の兵隊さんみたいにくるくる回転したり、ひっくり返ったりする。マップがリピートするときは王宮は全部は要らないからいるところだけ残して張り合わせると、トーラス(浮輪)に変身し、王宮の省エネ化が起こる。無限遠点近くは今回はまだ近づいていないが魔王の世界。ハリーポッターの世界なのか、動きから目が離せない。見方を変えてさらに身近に引き寄せてみるとリーマン球は植物の種子、マップは遺伝子、そして反映した結果がさまざまな花とも感じる。種子の中の点の距離(計量)にもいろんな距離が入るのだろうか。長い歴史の中で、繰返しを排除していくと種子のトーラス化も起こるかもとも一人想像したりする。数式にも関数にも自然の息吹を感じられてわくわくする本です。今年もレモンを収穫しました。