桜吹雪ー平賀美術館

5月の連休に箱根の平賀美術館に、またまたリピーターとして行ってきました。湯本を降りてすぐ新緑がまぶしい川沿いの遊歩道に出れば人はいない。岩にぶつかる水量たっぷりの激しい水の音を聞きながら少し歩くと橋、渡ればそこが万寿福旅館。わきの小道を上がる右手に平賀美術館がある。時の流れが止まったような静寂の中にある絵達。私は彼の描く桜にひかれる。気の遠くなるほどたくさんの桜の花びらが緻密に何重にも丁寧に描きこまれている。何十時間もかけて数センチ四方を描く。この膨大な作業時間は苦痛なのか?先日知人から桜の花びらは一つ一つがみんな厚さやカーブなどが異なり、だから同じように風に吹かれても同じ動きにならず様々な方向に流されていく。ランダムに散るから美しい桜吹雪が出来上がると教わった。平賀敬はほとんど同じように見える桜を描くときでも、桜吹雪の自由な舞いが分かっていて楽しく遊んで描いたに違いない。深い理解がなければ努力は続かない。改めて桜が言っているように思えた。画像は平賀敬の絵の一部分をトリミングしたものです。